水銀フリー水中ヒ素簡易測定法の開発
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現在、バングラデシュなどの東南アジアでは天然鉱床による地下水のヒ素汚染が問題となっている。現地で地下水は料理や飲料水に使用されるが、バングラデシュにおける飲料水の水質基準である0.05 mg/Lを超えるヒ素を含む地下水でも、やむを得ず使用している地域が多い。汚染水を長期的に摂取し続けたことによる皮膚がんなどの健康被害も多発している。
水質用ヒ素分析技術は重要であるものの、バングラデシュのような経済的に貧しい国では、ICP-MSのような高額な精密装置での分析は困難である。このため、安価なヒ素簡易測定法が利用されている。検知紙や検知管による手法が市販されているが、これらに利用している検知剤には水銀が含まれている。これは水銀が水素化したヒ素に高感度で反応し呈色を示すからである。水銀は「水俣条約」でもその利用が規制されているように、毒性が強く環境負荷が著しい。測定時に誤って環境中に放出されれば、新たな健康被害、環境汚染を引き起こすことになる。
そこで本研究では、水銀を使用しないヒ素の簡易測定法の開発に着目した。水銀の代替として硫酸銀を使用した検知管を新たに開発し、水質用ヒ素簡易測定への利用可能性について研究した。
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