香りと空間~より快適な未来へ~ 嗅覚による生理学的検証
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現在、環境フレグランスが注目されており、
様々なシーンで「香り」が使われている。「香り」で空間をより快適に演出できないかと考え、
本研究では日本カルミック株式会社と産学共同研究を行うことになった。
香料開発にあたり、生理学的検証を行い、単純な嗜好性のみにとらわれず、
使用する理由を明確にユーザーに説明できるような香料の開発・研究を行う。
環境フレグランスとして活用できる「香り」として、
沈静させる「香り」…Lime ,SandalWood 高揚させる「香り」…Cypress,YlangYlangを選定した。
今回の実験では、安定性・安全性・コスト面を考慮して調合香料を使用することとした。
それぞれの天然香料をGC-MSにかけ解析された組成をもとに調合香料を作製し検証を行った。
方法としては、客観的指標として生理学的測定(収縮期血圧・脳波)、
主観的指標として沈静・高揚尺度得点化アンケートを4つの香りそれぞれに対して行った。
生理学的測定では、香りを嗅ぐ前後でそれぞれ収縮期血圧・脳波を測定した。
今回の実験では10代~60代の男女合わせて107人のデータを収集した。
また、ブランクとして水で同様の実験を31人に対して行った。
今回は、ブランクと比較しても統計的に有意な差は出なかったが、
「香り」を嗅ぐことでどのような傾向が見られるのかを解析した。
収縮期血圧・脈拍はブランクとの差は少なかったが、脳波で解析したところ、Lime,SandalWoodが高揚の傾向にあることが分かった。
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