【ワイン醸造プログラム】日本ワインのこれから

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こんにちは。
「醸造家に学ぶワイン講座」の講師を担当します増子です。

 

この連載も今回が最後です。
日本ワインのこれから。
そんなタイトルで書いてみたいと思ったのですが、あまりにも多く山積する課題にどう書くべきかと手が止まりました。



 

まずはじめに、私がこの業界に入った2000年頃に比べれば、造り手・ワインを販売する人・サービスに従事する人・そして、飲み手の距離は、近くなったと思います。ですが、ここ10年ほど、近くなりすぎてしまったことによる負の部分と、まだまだ対話が必要な部分があるように感じています。



 

これからもワイナリーは増えていくでしょう。個人にとっては大きな投資ですが、それでも、他の産業への新規参入と比較すれば、小さな初期投資で、開設することができるのがワインビジネスだと思います。さらに、現在、叫ばれているCSRやSDG’sにおいて、ファッションではない、具体的な取り組みが、これからさらに重要となることを踏まえれば、ワイナリーをもつという選択肢は増加していくのではないでしょうか?

 

しかし、ワインビジネスというものは、私が昔読んだ資料によると、食品加工業のなかで、収益性には一番乏しい分類のビジネスであると書いてありました。それもこれは、海外の統計であり、日本より、栽培適地である国での結果です。今までのコラムを読んでいただければわかりますが、日本の気候で、高品質のぶどうを栽培することは容易ではありません。そして、日本がこれから(というか今も)迎えている人口減少社会、そして温暖化が進む中で、ワイナリービジネスをすることは、一筋縄ではいかないことは理解できると思います。

 

そうは言っても、ワイン(もしくは酒類製造業)ビジネスには、他の食品加工業では得られない、楽しさ、充実感があるのは確かです。ワインから繋がる、食・ファッション・建築・アート、それにまつわる人との出会いに魅せられ、この業界に飛び込んでしまい、ワイナリーを立ち上げた私が、一番理解しているはずです。

 

だからこそ、このような講座を持たせていただき、これからの日本のワインを考えることを、ワイナリーに携わる人たちだけではなく、ワインビジネスに係るみなさんとできたらと思うのです。それでは9月、東京バイオテクノロジー専門学校でお会いできるのを楽しみにしています。

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