【ワインの造り方】ロゼワイン・スパークリングワインの製造
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今回、まずはロゼワインの造り方について、お話してきます。
ロゼワインには実は定義はありません。しかし、一般的には色によって判断されており、製法でも制限がされているワインです。
EUではシャンパーニュを除いて、赤ワインと白ワインのブレンドは禁じられています。
“ロゼ”以外の呼び方として、Clairet、Clarete、Chiarettoがあります。原料として赤ワインの品種のブドウ、果皮の色が中間的な色のブドウ、赤ワイン用ブドウと白ワイン用ブドウの混醸がありますが、健全にしっかり熟したブドウで色をきれいにだすために速やかに低温、嫌気条件下で処理をしていきます。
ロゼの醸造法としては・・・
1. 赤ワイン用ブドウ品種を圧搾による製造は、ワインの品質は圧搾の仕方に影響を受けます。また、果汁の酸化防止に亜硫酸を添加し、白ワイン同様の清澄化も重要な工程です。
2. 濃色で、凝縮されたロゼワインは果汁、果皮、種子の短時間マセラシオンによりアントシアンとタンニンを抽出することで造られます。マセラシオン後、セニエ(色のついた果汁を抜き取ること)を行い、その果汁でロゼワインを造ります。
3.ボジョレー・ヌーボーの製造方法として知られるマセラシオン・カルボニックでは色素があまりでないため、ロゼワインに製造方法として用いられることがあります。
4.赤ワイン用ブドウ品種と白ワイン用ブドウ品種を同じタンクに入れ、マセラシオンをして造られます。
5.赤ワインと白ワインをブレンドする。
上記の5つの方法があります。
発泡性ワインはスパークリングワイン(英語)、ヴァン ムス―(仏語)、シャウムヴァイン(独語)などと呼ばれます。フランスのシャンパン、ドイツのゼクト、イタリアのスプマンテ、スペインのカバ、ポルトガルのヴェニョ ヴェルデなど様々なタイプが存在します。
その製造法として・・・
1. フランスのシャンパンに代表される造り方(メソッド シャンプノワーズ)で、ワインに新たに砂糖と酵母を加えて、瓶内で二次発酵を進めて、発生した炭酸ガスを閉じ込めて発泡性を持たせるのが瓶内発酵法です。
2.ドイツのゼクトなどの製造方法であるタンク内発酵法(シャルマー法とも言う)は、密閉耐圧タンク内で二次発酵を行って発泡性ワインを量産する方法です。
3. 炭酸ガスの溶解度を高めるため、冷却したワインを炭酸ガスと接触させてワインに炭酸ガスを溶解させて発泡性を持たせる(炭酸ガス吹き込みによる)製造方法もある。
国際ブドウ・ワイン機構(O.L.V.)では、
スティルワイン;20℃で炭酸ガス濃度4g/L以下のもの
ヴァン・ペティアン;20℃で炭酸ガス濃度3g/L以上かつ5g/L以下のもの発泡性ワイン
ヴァン・ムスー;20℃で3.5気圧、瓶内二次発酵、密閉タンク内二次発酵、あるいはルーラル法で製造されたの。ただし、250ml以下の壜の製品では3.0気圧でも可である。
ガス封入ワイン;ワインに人工的にガスの封入がされたもの
と定義されている。
ワイン醸造について簡単に話すは難しく、そして、ワインができるまでだけでも原料、造りの過程、熟成など、次々に新しい研究成果が出ている中で、ブドウ栽培、醸造工程に新しいものが取り込まれ、造り方は一つではなくなっています。
醸造技術者が目指すワインにするために、変化をとらえて、分析をしながら造ったり、自然の変化をプラスにして造ったりするなど、ワインのラベルの種類の数の複雑な造りが存在しています。
暑い日はスッキリしたロゼワインがおいしいかもしれませんね。
<参考書籍>
山梨県ワイン酒造組合:山梨県ワイン製造マニュアル(2020年版)
戸塚昭、東篠一元ら:新ワイン学、㈱ガイアブックス、2018
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