【ビールの造り方】発酵~上面発酵について~
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ビール醸造の発酵には
・上面発酵
・下面発酵
・自然発酵
の3つがあります。
今回このうち上面発酵の「上面発酵酵母」について、
簡単に解説していきたいと思います。
ビールの発酵中に酵母が液の表面に浮かび上がる
「上面発酵酵母」が働くビールには、
個性豊かなペールエール、ヴァイツェン、スタウトなどがあります。
上面発酵酵母はビール酵母の原型とされ、
炭酸ガスが細胞表面につくため、発酵後半には液面に浮いてくるのが特徴です。
歴史的には上面発酵酵母の方が下面発酵酵母より先に登場しており、酵母の純粋培養法を確立したハンセンは上面発酵酵母をSaccharomyces cerevisiaeと命名しました。
上面発酵酵母の特徴としては、メリビオース資化性がなく、大部分が2倍体でパン酵母や清酒酵母と同じとなっています。
ビール酵母の論文などへの記載は、圧倒的に下面発酵酵母のものが多く、多面的な解析や分析が進んでいるのが現状です。
参考文献
・渡 淳二:カラー版 ビールの科学 麦芽とホップの生み出す「旨さ」の秘密, 講談社, 2018年
・善本裕之, 吉田聡, 金井桂子, 小林統:美味しさのカギを握るビール酵母の魅力を探る 下面発酵酵母の解析から見えてきたもの, 化学と生物, 56, 605, 2018
・大室繭:ビールつくりの主役:ビール酵母の特徴と発酵力の鍵 ビール酵母の発酵力に寄与する因子の解明, 化学と生物, 58, 157, 2018
・有村治彦:ビール酵母, 日本醸造協会誌, 95, 791, 2000
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