【ビールができるまで】ビール酵母について

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ビールは、麦芽(モルト)・ホップ・酵母・水
主原料とする飲料です。

 

今回は、ビールの醸造に不可欠な「ビール酵母」について、
解説していきます。

 

「酵母」は、実は分類学的に定義された言い方ではなく、
生活史のほとんどを単細胞で過ごす真核生物の総称のようなものです。

代表的な酵母として知られているのがSaccharomyces cerevisiaeであり、
培養すると乳白色のコロニーを形成、細胞は楕円形、出芽法で増殖します。

 

 

ビール製造は年間を通して行われ、
前発酵が終了した別のタンクの酵母を新しい前発酵のタンクに添加します。

このようなビール製造特有のプロセスが、
ビール酵母に野生株とは一致しない新しいニッチに適応したビールの製造に
理想的な菌株の特徴を持たました。
その一つがビール麦汁中の「マルトトリオースを発酵できること」。

 

ビール醸造用Saccharomyces cerevisiaeを遺伝的に解析すると、
野生株と区別されて、さらに2つのクラスターを形成するという報告があります。

一つは、
「相同の遺伝子座が同じAGT1でマルトトリースに対する親和性の強い代謝を持つグループ」
もう一つは、
AGT1の対立遺伝子は機能しないが、マルトトリオースを代謝するグループ」です。

またビール酵母は、不快臭である4-ビニルグアヤコール(4VG)を
生成しない発酵が特徴でもあります。

 

近年ビールの醸造現場では、
ビール酵母ではなく、焼酎用酵母、ワイン酵母、野生酵母などで
ビールを造ったと話が出ることがあります。

それらの酵母は、それぞれの場で選択され、
あるいは活用された代謝があり、その代謝が麦汁の中で
「おいしい」をつくるとは限らないけれども、
酵母の活動をコントロールしながら醸造するという部分に
酵母の可能性があるのかもしれません。

 

ビール醸造ではまず、
麦汁でアルコール発酵ができることが必要となりますが、
野生酵母でこの能力をもつ菌株を単離することは難しい部分です。

ビール酵母は17世紀頃から選択を繰り返され、今の代謝があるのです。

 

<参考書籍>

・ビール酒造組合 国際技術委員会編,  ビールの基本技術, (公)日本醸造協会 

・Brigida Gallone, Stijn Mertens, Jonathan L Gordon,Steven Maere, Kevin J Verstrepen, and jan Steensels;Orijins, evolution, domestication and diversity of Saccharomyces cerevisiae beer Yeasts; current Opinion in Biotechnology; 2018, 49, 148-155

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