【DNAコース実習紹介】遺伝子解析法について

投稿日:

今回はDNAコースだけではなく
医療・医薬品および植物コースも必ず習得する技術の一つである
「RT-PCRを使った遺伝子発現解析法」を紹介します

一般的に遺伝子というと『DNA』と思いますが
DNAは設計図で細胞の核の中に格納されていて
実際にタンパク質を作り出すための遺伝子は
『RNA』という実働部隊が働いています。
このRNAは細胞や臓器・器官によってその存在が様々です。

ここでは
ある特定のタンパク質が動物の器官に存在するかを確認するとともに
ではどの程度(量)作っているかを解析することを目的としています。
発現を解析することは
その細胞の発生や機能を調べる上でとても重要となります。

RNAはDNAよりもデリケートでウィルスや細菌などの影響を受けやすく
すぐに分解してしまうので
操作は完全防備で行います。
 

1    

試料をすり潰して細胞中の遺伝子(ここではDNAもRNAも混在しています)
を抽出しています。
この後、RNAだけを取り出し、さらにきれいにします。
2

精製したRNA(mRNA)に逆転写酵素(RT:RNAをDNAにする酵素です)
と遺伝子を増幅させる酵素(ポリメラーゼ)
プライマー、緩衝液などを加え
遺伝子増幅装置で増やします。
3

PCRによってどれくらい増えるかというと
1サイクルで2倍に増えるとして
今回は35サイクル(だいたい3時間位かかりました)
行ったので
235倍増えた計算になります。
すなわち
髪の毛1本、唾液の中にある細胞数個からでも
遺伝子は確認できるということです。
4

最後に、DNAとして増幅されたRNAは
アガロースゲル電気泳動法で解析します。
5

遺伝子を増やすという作業ひとつをとっても
手間がかかることがわかると思います。
丁寧に行わないと
きちんとした結果が出てこなくなります。
ひとつひとつは地味な作業ですが
この積み重ねで、大きな結果に繋がるのです。

実験ができる体験実習開催中

東京バイオでは、毎週末実験ができる体験実習を行っています。
また、週末忙しいい方のために平日説明会も開催中。
是非お越しください!