長野県先端技術研修
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こんにちは。アシスタントの遠藤です。
皆さん、夏休みは有意義に過ごしていますか?暑さに負けず、何かにチャレンジしてみる充実した期間となりますように!
今回は、長野県先端技術研修の様子をご紹介します!
長野県総合教育センターの依頼を受け、高校の先生方を対象に東京バイオにある機器を使って、専門的な分析技術を学んでもらうことが目的です。
今年の研修テーマは「食品加工と分析」!!
東京バイオで食品開発コースの講師をしただいている先生のご指導のもと、5日間の研修がスタートしました!
初日は、使用する機器の原理と使用方法について学びました。
クリープメータでソフトサラダせんべいの硬さを測定しています。食品の物性評価に使用する装置です。
カルメ焼きを作製中・・・
このガラスは、コンウェイユニットと呼ばれ、水分活性測定に使用されるものです。水分活性とは、食品中の自由水の割合がどのくらいあるのか示す指標です。これが高いと、微生物が繁殖しやすいので腐りやすいということになります。今回は、平衡重量法を用いて小麦粉中の水分活性を測定しました!
水分活性測定器でも測定をしました。
2日目は、砂糖の焼き菓子の色について実験をしました。
食品は、調理、加工、保存等の過程で色調の変化が起こります。「褐変」と呼ばれる現象、調理により発生するアミノカルボニル反応、カラメル化、そして食品中に含まれる色素成分(ポリフェノール酸化などの酵素反応)によるものがあります。見た目は美味しさに影響する・・・といわれることから、さまざまな砂糖、糖アルコール(マルチトール、トレハロース、エリスリトール)を使ってその性質と色彩を比較しました。すると・・・
こんなに焼き色が変わりました!!
食べてみると、食感や甘さも違う!お料理の用途によって、選び使い分けていきたいですね。
3日目はジャム作りです。
果物に砂糖を加えて加熱すると、ペクチンと呼ばれる多糖類が溶け出し、とろみがでてきてソースやジャムになります。ジャムは、糖度40%以上ではないとジャムとはいえません。今回は、糖度の異なるジャムを作製して水分活性を測定しました。
いちごの糖度はどれくらいかな・・・糖度計で測定してみます。
4日目はうどんです。
うどんは、小麦粉、塩、水から作ります。小麦粉のタンパク質成分である、グリアジンとグルテニンは捏ねるとグルテンというタンパク質を形成します。これがいわゆる「コシ」につながります。グルテン生成に重要なのは、塩濃度が関わっています。今回は塩の中のにがり成分に着目して、にがり成分の異なる市販の塩3種を調製して塩水を使い、うどんの物性評価(破断試験、引張試験)をクリープメータで測定を行いました!!
PHILIPSの製麺機から麺状になってでてきました!
茹でたうどんがくっつかないように・・・こんな感じで並べました。大変!!
クリープメータで引張試験を行なっています。うどんをセットして、切れるところまで引きのばしていきます。
最終日は、マヨネーズです。
マヨネーズは、食用油・酢・卵を原料とした半固体状ドレッシングです。油の違い、温度条件の違いによってマヨネーズの粘度の変化を調べました!
油を一定の速度で添加するのに、ペットボトルと絞り袋を使いました。油の種類は、大豆油、綿実油、キャノーラ油で作製しました。
その後、回転粘度計でマヨネーズの粘度を常温と15℃で測定しました。あるマヨネーズは、温度が低くなると粘度が強くなるものもありました。
食は、私たちが生きていく上で欠かせないものです。食品を調理、加工し食べやすく、美味しいものにすることは栄養の消化吸収にも関わる大切なことです。五感(視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚)を研ぎ澄まして、食べることの大切さを深く考えさせられました。
東京バイオでは、食品加工実習という授業を通して、食品の特性や分析技術を日々学ぶことができます。これからも、実験を仕事にすることができる「東京バイオの魅力」を伝えていきたいと思います♪
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