MAPK活性のオシレーション機構と細胞死への役割の解明

研究先 東邦大学医学部統合生理学分野

目的

ストレス応答 MAPキナーゼ( MAPK)経路はサイトカインなどの刺激により活性化され、リン酸化を介してシグナルを伝える。JNK(c-jun N-terminal kinase)は代表的な MAPKの 1つであり、がんや異常免疫などの多くの疾患に関連するが、これまで生きた細胞におけるシグナルの動態については明らかではない。本研究の目的は JNKシグナル動態とその生理的意義を明らかにすることである。

方法

新規に JNK活性を可視化する FRETプローブを作成し、HeLa細胞に発現させ、IL-1β刺激に対する応答をイメージングにより定量した。また、ウエスタンブロット法を用いてタンパク質発現解析を行った。さらに、JNK下流の遺伝子発現を qPCR法を用いて解析をした。

結果

まず、 JNK活性をイメージングにより測定したところ、持続的に IL-1βを作用させているにも関わらず、JNK活性は一過的であった。次に、タンパク質発現解析の結果、JNK活性が抑制されるタイミングにおいて、ホスファターゼである MKP-1が発現していた。したがって、 JNKは MKP-1により一過的な活性化動態を示すことがわかった。JNK下流の遺伝子発現を調べると IL-6、CCL5の発現は JNK依存的であったが、短時間の IL-1β刺激では発現が見られなかった。そこで短時間の IL-1β刺激を繰り返し与えて JNK活性のオシレーションを誘導すると、生存シグナルとして知られる IL-6発現が増加した。以上の結果より JNKの反復的な活性化により細胞死を抑制することが示唆された。

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