抗精神病薬がマウスの海馬ゲノムに及ぼす影響について

研究先 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター研究所 難治性疾患研究部

目的

近年、環境因子によって発現が誘導されるレトロトランスポゾン LINE-1(L1)が、さまざまな分野で注目されており、例えば、精神疾患である統合失調症患者の海馬ゲノムにおいて、L1のコピー数が増加していることが報告されている。しかし、この L1コピー数の増加は、患者が服用している治療薬の影響である可能性も考えられる。そこで、本研究では、抗精神病薬が海馬ゲノムの L1の発現に及ぼす影響について明らかにすることを目的とし、薬剤投与マウスを用いた L1プロモーター領域のメチル化解析を行った。

材料及び方法

近交系マウス C57BL/6J系統( 12週齢および 16週齢)と精神疾患モデルマウス(12週令)を用い、抗精神病薬バルプロ酸( VPA)を投与した際の L1メチル化パターンを比較し、同時に行動パターンについても比較した。

結果及び考察

メチル化解析では、VPA投与マウスにおいて非メチル化 CpGがやや増加したことから、VPAは L1プロモーター領域のメチル化パターンに影響を及ぼすことが明らかとなった。また、マウス行動実験において、VPAは自発的活動量と不安様行動に影響を及ぼす傾向がみられた。以上の結果から精神疾患例の海馬コピーの増加は、治療薬によって誘導された可能性を示唆される。

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