細胞の継代培養における注意点とその検証 トリプシン処理時間による細胞への影響

研究先 国立研究開発法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 細胞材料開発室

目的

細胞を実験で取り扱う上で、品質を維持管理し続けるには、注意すべき点がいくつかある。付着細胞を継代培養する際、細胞を剥がし回収するために、通常トリプシンが使われる。トリプシン処理を過剰に行うと、細胞膜へのダメージにより、生存に影響を与えると言われているが、細胞の状態によっては、剥がれるまでに時間がかかることがある。そこで、トリプシン処理時間による生細胞の回収率を比較し、継代培養におけるトリプシン処理時の注意点を検証することを目的とした。

方法

付着細胞である Vero細胞と MC3T3-E1細胞を用いて実験を行った。まずは、通常通りのトリプシン処理を行い、剥離時間の測定を行った。次に、過剰なトリプシン処理時間を設定し、各条件での回収率(各条件の生細胞数/剥離時間の全細胞数)を算出した。

結果

0.25%トリプシン-0.02%EDTAを用いて剥離時間を測定した結果、Vero細胞は 3分、MC3T3-E1細胞は 2分となった。Vero細胞を 3分・9分・30分・60分・120分間トリプシン処理時、回収率に差がなかった。MC3T3-E1細胞を 2分・30分・60分・120分間トリプシン処理時は、過剰に行うにつれ、回収率が低下し、再付着が見られた。以上の結果から、細胞によって、トリプシン処理時間による影響に違いがあり、トリプシン処理を適切に行わず、継代培養を繰り返すと、トリプシン耐性の細胞が増えることが示唆され、継代培養時はトリプシン処理時間に注意することが重要であることがわかった。

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