非光化学的消光を制御するイネ PsbS1遺伝子の機能解析

研究先 埼玉大学理工学研究科 遺伝子環境工学研究室

目的

イネは主要穀物であり、環境ストレス耐性の付与による収量の増加が求められている。植物は環境ストレス下の過剰な光に適応するため、非光化学的消光( NPQ)のシステムを持っており、余分な光エネルギーを熱として捨てる事ができる。イネでは PsbS1という遺伝子が NPQの制御を行っており、インディカ品種よりジャポニカ品種の方が高い NPQを示すが、その分子機構や生理的な意味は不明である。本研究では、PsbS1の発現量を改変したイネ系統を用いて、NPQの違いがイネの生育やストレス応答にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的として研究を行った。

方法

日本晴(ジャポニカ品種)、カサラス(インディカ品種)、PsbS1過剰発現体、 PsbS1欠損変異体(psbs1)を用いて、 PsbS1の発現量と NPQ及び生育との関係を調べた。さらに、酸化ストレス薬剤であるメチルビオロゲンを用いて耐性試験を行った。

結果

PsbS1欠損変異体(psbs1)では、 NPQが低下し、生育が悪くなった。一方、インディカ品種であるカサラスに PsbS1を過剰発現させた系統では、カサラスと比べて NPQ値が上昇した。また、酸化ストレス薬剤であるメチルビオロゲン感受性を調べた結果、過剰発現体ではカサラスに比べて障害を受けにくいことがわかり、NPQの値が高いことが酸化ストレス耐性に寄与している可能性が示された。

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