分化全能性制御因子を用いた新規植物形質転換技術の開発

研究先 埼玉大学理工学研究科植物機能制御研究室

目的

植物に対して様々な有用遺伝子を導入する遺伝子組換え技術は基礎研究にも応用研究にも必須である。しかし、多くの植物品種においては、遺伝子導入の際に形質転換細胞から植物体が再生できず、組換え植物を得得ることができない。この問題を解決するために、私は植物細胞の分化全能性を制御する因子を利用した新規形質転換技術の開発を試みた。

方法

過剰発現時に根から不定胚・不定芽を誘導する因子として知られるシロイヌナズナの転写因子 WUSCHEL (WUS: Laux et al., 1996 Development)に対して、変異導入やドメイン付加を行い、不定器官誘導能力の強化を試みた。最も強い不定器官形成能力を有する強化型 WUS遺伝子(modifyWUS2)については、効果の汎用性を確認するため、タバコにおける不定器官形成能力を確認した。

結果

3種類の改変 WUSを作成し、シロイヌナズナにおける不定芽・不定胚誘導率を解析した結果、 modifyWUS2において不定器官形成頻度が 93%に上昇することがわかった。この、 modifyWUS2を高温誘導性プロモーターの下流につなぎ(HSpro:modifyWUS2)、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を介してタバコ(Nicotiana tabacum)に導入、タバコの形質転換毛状根を得た。この毛状根を高温で処理し、 modifyWUS2の発現を誘導したところ、カルス状の組織が形成され、modifyWUS2が種を問わずに不定器官を誘導する能力をもつことが確認できた。

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