植物工場の照明設定を学生が間違えて大発見につながった(SHIGYO法)

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先日、こんなニュースがありました。

昭和電工と山口大学が開発した植物工場(提供:昭和電工)

昭和電工と山口大学が開発した植物工場(提供:昭和電工)

これは昭和電工と山口大学農学部の執行正義教授が共同開発した高速栽培法「SHIGYO(シギョウ)法」が用いられた植物工場の様子だ。

植物の光合成には光の3原色である赤色、緑色、青色のうち、赤色と青色の光が使われていることがわかっている。それに対しSHIGYO法では、野菜に赤色の光のみを12時間、次に青色の光のみを12時間、交互に照射する。それにより、野菜は従来の植物工場で使われていた蛍光灯に比べて成長速度が大幅に向上するという。

例えば、フリルレタスの場合、従来の蛍光灯による栽培では収穫までに42日間かかるのに対し、SHIGYO法であれば32日間で収穫できます。また同じ日数で大きさを比較した場合、約2倍になる。しかもLED照明なので、電気代は単位時間当たり約2分の1で済みということだ。

近年の研究によれば、植物は赤色の光によって養分を蓄え、青色の光によって組織を形成することがわかってきている。蛍光灯の光には赤色と青色の両方の波長の光が含まれるが、動物同様、植物にとっても睡眠は非常に重要で、野菜に蛍光灯の光を24時間当て続ければよいというものではない。それだと成長速度はかえって下がってしまうのだ。そのため、定期的に工場内を暗くして、野菜に“睡眠”をとらせる必要がある。

一方、SHIGYO法では、24時間、赤と青のいずれかの光を当て続ける。それにもかかわらず、逆に成長速度が上がるというのはこれまでの常識を覆すもので、執行教授によるこの発見は、多くの植物の専門家に驚きを与えた。

実は発見の背景には、執行教授の研究室の学生による実験ミスがあった。本来であれば、レタスに赤色の光と青色の光を同時に12時間当て、その後、12時間は暗くして、成長速度を確認する予定だった。だが、学生がタイマーの設定を間違えて、赤色の光と青色の光を交互に当ててしまったのだ。

現在のところ、SHIGYO法で成長速度が上がる理由についてはわかっていいないとのこと。また、レタスやホウレンソウ、小松菜など野菜の種類によって、最も成長速度が上がる光の照射のサイクルや、赤色と青色の光の比率も異なる。そのため、執行教授の研究室では現在、メカニズムの解明に向け研究を進めているという。メカニズムが解明されれば、SHIGYO法のさらなる向上につながる。

学生のミスがきっかけで大きな発見とつながったんですね

東京バイオでも日々の実験でもっちろん失敗もありますが、真剣に取り組んだ価値のある失敗になると思います

皆さんも失敗を恐れずにどんどんやてみましょう
ただし、失敗した際は必ずなぜ失敗したのか分析しましょう

また、東京バイオでは植物バイオコースを設けています。
皆さんの実験で「SHIGYO法で成長速度が上がる理由」について解明できるかもしれなせん。。。

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